こんにちは。
社会保険労務士の福井です。
DX、DX聞くことが多くなりました。
なんでもかんでもDXと言っている気がします。
しかし・・・
その定義はなんだ?
ただのデジタル化と何が違うんだ?
電子申請するのがDXなのか?
自分でもよく分からないので調べてみました。
日本での最初の発表は、経済産業省2018年9月7日公表の「 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会の報告書『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』をとりまとめました 」です。
https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010.html
このニュースリリースの一行目に以下の重要な記載があります。
「あらゆる産業において、新たなデジタル技術を使ってこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起ころうとしています。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められています。」
なるほど!!
デジタル技術革新によって新たな産業革命(言い過ぎ?)が起きるので取り残されないための警告書的な意味合いですね。とすると、今まで紙情報だったものをデジタル情報に置き換えるだけではDXとはいえないということです。ゲームチェンジに付いていけない場合、2025年の壁(老朽化システムが6割を超え、そこに人員を割かれる等によりこのままだとデジタル競争に取り残される分岐点。詳細は前述のDXレポート内に記載があります)以降、最大12兆円/年の損失が出ると試算されています。
では改めて
DXの言葉の定義はというと前述の報告書では「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」(下線は福井が追記)だそうです。我々一般人が思っている以上にレベル高!
今自分が思っているのはDXではなくただのデジタル化の一つなんだなと気付く。
広い意味のデジタル化には簡単な方から順に①デジタイゼーション②デジタライゼーション③DXがあるそうです。説明と図は以下の通り。総務省令和3年情報通信白書参照 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/r03.html
Digitization(デジタイゼーション) 既存の紙のプロセスを自動化するなど、物質的な情報をデジタル形式に変換すること
Digitalization(デジタライゼーション) 組織のビジネスモデル全体を一新し、クライアントやパートナーに対してサービスを提供す るより良い方法を構築すること
Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)前述の通り
現時点の社労士業務のデジタル化は、上記定義の3パターンから考えるとほとんどはデジタイゼーションにしかならなそう。グループウェアの利用や電子申請、タイムカードの電子化などですね。RPAを利用した業務改善もここなのかな。デジタライゼーションに該当するのは、例えば、就業規則作成ASPサービスを利用して就業規則作成時間を短縮し顧問契約に付帯、相談や社内体制のアドバイザー業務に注力する(付加価値の創造)などが考えられます(すいません。他に思いつきません・・・)。しかしDXに該当するものはない、ということがわかりました。これは他の業界でも同じことが言えるのではないでしょうか。
今話題の言葉ですが、言葉だけが一人歩きしている状態。デジタルトランスフォーメーションを実現するには、出る杭を伸ばす人材活用と新たな世代の人材育成が不可欠。何だかわからない業務に足を引っ張られて改善が進まないなどと悩んでいる場合ではなく、いらない業務はバッサリ廃止し、自動化できるものは自動化し、コア業務に人材投入するところがまずはできるといいですね。その先に新たな付加価値が存在する気がします。
https://www.fukuisr-office.jp/